私はずっと、相手に変わってほしいと思っていた。
もっと気持ちを言葉にしてほしい。
こういう時はこうしてほしい。
もっと向き合ってほしい。
一緒に考えてほしい。
そう願って、何度も伝えてきた。
「私の伝え方が悪いのかな…」
「どうしたら伝わるんだろう」
「どう言えば分かってもらえるんだろう…」
伝え方を工夫すれば届くはず。
もっと私が頑張れば変わってくれるはず。
そんなふうに考えて、何度も言葉を探してきた。
でも、少しずつ気づいていった。
私は「伝えること」と「変えること」を混同していたのかもしれない。
私は、伝え続ければいつか届く。
分かってもらえれば、きっと変わってくれる。
そんなふうに、どこかで思っていた。
でも、私ができるのは、自分の気持ちを伝えることまでだった。
その先は、相手の領域だった。
変わらない相手を変えようとして、
何度も話し合おうとして、
何度も言葉を選んで、
何度も試みたけれど、
それでも響かなかった。
苦しかった…。
私は少しずつ、自分じゃない自分になっていった。
いつの間にか、
自分が何を感じているのか、
何を望んでいるのか、
それさえ分からなくなっていた。
自分自身の輪郭まで、見えなくなっていた。
相手のためだと思っていたことが、
いつの間にか自分を苦しめていた。
もっと分かってほしい。
もっとこうしてほしい。
そう思うほど、
私は相手の人生まで背負おうとしていたのかもしれない。
家族だから。
夫婦だから。
子どもたちのお父さんだから。
そう何度も自分に言い聞かせ、
私が背負わなきゃいけないものだと思い込んでいた。
投げ出したくなっても、
家族だからと踏みとどまっていた。
でも、私が動けば相手が変わるわけではなかった。
自分自身の問題は、自分が向き合うしかなかった。
私は、人を変えることに力を使うより、
自分がどう生きたいのかを考える方に力を使いたい。
相手を責め続けることでもなく、
我慢し続けることでもなく、
自分の気持ちを無視しないこと。
今まで私は、
周りが困らないように。
家族がうまくいくように。
誰かが傷つかないように。
先回りして動いてきた。
でもこれからは、
私は私の気持ちを大切にする。
自分がどうしたいのかを考える。
人は変えられない。
でも、自分がどう関わるかは選べる。
そして、自分の人生をどう生きるかも選べる。
そのことに気づくまでに、私は長い時間がかかった。
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AYAKO
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